おそろしくたくさん練習した日本は南アフリカに勝てた

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日本ラグビーの今後の指導方針についての提言。Numberからの引用です:

鍛え上げられた肉体。修羅場にぐらつかぬ確信。長い合宿に養われた結束。丈夫な人たちが鉄の心を抱いて助け合った。

すべてはハードワークのおかげだ。

これからのジャパン。新しい指導体制は新しい方針を探るだろう。ただし、ひとつだけ変えてはならぬ「解」がある。日本のラグビーが強豪国に伍すための解。それは「質の高い練習を、おそろしくたくさん行う」ことだ。

自チーム(自国)の選手の個性を見きわめる。先端の情報を貪欲に集める。過去の成功と失敗をレビュー、高い目標を定め、戦法を創造、そこから逆算した技術と体力を培い、ひとつずつ層を積み上げる。コーチング、チーム構築の定理だ。ニュージーランドもオーストラリアもアルゼンチンもそうする。でも日本代表はそれでは足りない。質にとどまらず量を追い求めなくてはならない。

「日本が南アフリカに勝てるはずはない」は間違っていた。ただし「日本は南アフリカに勝てる」も正しくはない。「おそろしくたくさん練習した日本は南アフリカに勝てた」が本当だ。ハードワークの定義とは「猛練習と長期拘束による技術の自動化および体力の定着」である。

Number(ナンバー)895号[雑誌] Number
文藝春秋 (2016-02-04)
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