『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話』で気になった部分
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『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話』で気になった部分です:
- 「代表選手を選考する際に、レギュラーの選手からではなくて、出場する機会は限られるかもしれないけれど、どんな立場になってもハードワークしてくれる選手をまず選んだ、と。そうすればチームは機能すると原監督は見ぬいていたんです。これこそが、「アート」です。
- チームの決まり事やペナルティを侵さないということだけが規律ではありません。本来、「生活のなかで正しいことをする」のが規律なのです。練習後、家に帰って、次の日のために食事をしっかりとって、ストレッチをやって、十分な睡眠をとる。こうした当たり前のことを、規律がある選手は何も言わなくてもできるけど、規律がない選手はできないのです。規律が守られてこそのパフォーマンスではないでしょうか。
- 世界的に見て、成功を収めているチームは例外なく「ハードワーク」を厭わないチームばかりです。しかし、コーチとしてはハードな中にも楽しめる要素を入れてあげなければいけない。なぜなら、楽しむ要素があれば、選手はより懸命に、ハードな練習に取り組めるからです。
- 「どのサラブレットにも早く走らせる方法はある。調教師(トレーナー)のしごとは適した方法を見極めるだけだ」。これこそが、アートなんです。コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか、それにかかっています。
- インターナショナルの経験がなかったコーチが初めて代表を預かるとなれば、そこにはリスクはつきまといます。ザッケーロニ氏の場合、イタリア国内での経験しかなく、しかも最長で9ヶ月しかひとつのチームを率いたことがない。彼の経歴を見れば、ふつうはそこに潜むリスクには気づくはずです。もちろん、リスクはコーチの実績によって異なります。たとえば、バイエルンのグアルディオラ氏は代表を指揮した経験はありませんが、8年契約を結ぶ価値があるでしょう。彼の哲学、指導法を見れば、たとえすぐに優勝させられなかったとしても、必ずチームが向上し続けることは期待、いや、確信できるからです。
- 今日やることは、明日のためでもある
- 体格が違いすぎる、全員がプロじゃない、といったものからはじまって、なかには、農耕民族だからという意味不明な言い訳まで、相手を煙に巻くという意味では素晴らしい言い訳です。農耕民族って、なんですか?ニュージーランドだって農業国ですよ。戦う前から、言い訳が用意されているようなマインドセットは変えてしかるべきです。
- クルーデンもマコウと同じようなタイプですね。もしも、彼がラインブレイクして、フォローに入るべき選手がきちんとしたコースを走らなかったら、彼はすぐに起こるはずです。『どうして、このコースを走らなかったんだ?次はきちんと走ってくれ』と。そこでディスカッションが生まれ、他の選手が考え、成長する機会が生まれるのです。クルーデン、マコウともに他者の成長を促すという意味で、素晴らしいリーダーです。
- 周りの人間に責任を持たせ、その結果、最大限のものを引き出すのが本物のリーダーだと思います。
- もちろん私も失敗はします。でも、コーチとしては失敗も受け止めなければなりません。『なぜ、失敗をしてしまったのだろう?』と自分をしっかりと見なおす必要があります。人生で最も学べるのは、失敗した時ですよ。そこで責任転嫁してしまうと、その失敗から学ぶことは難しくなります。
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