『数学ガール 乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)』で気になった部分
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『数学ガール 乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)』で気になった部分です:
説明するときには、相手が何度《わからない》と言っても怒ってはいけない。怒っても、相手の理解が進むわけではないからだ。それより、相手が心に描いていることを推し測り、それにフィットするように表現を変える方がいい。
彼女はわかったふりをしない。彼女は、わかっていない状態をキープするこころの強さを持っている。
勉強のときに僕がぶつかる問題は、すでにどこかの誰かが解いたものがほとんどだ。だから、それを僕があらためて解いても、偉業を成し遂げたわけではない — 客観的には。しかし、主観的には違う。
僕が解こうとすることは、僕にとって意味がある。
たとえ解けなくても、現在の僕が立ち向かうことに意味がある。
さらにいつの日か。
誰も答えを知らない問題に立ち向かうときのためにも。
僕が、メッセージの送り手になるときのためにも–
伝える価値のあることを、正しく伝わるように書く–それが、論文の本質だ。
これまでの人類の発見に、自分の発見を新たに重ねる–それが、研究の本質だ。
過去の上に現在を重ね、未来を見る–それが学問の本質だ。
「約束は意志の表明だ」ミルカさんは自分のペースで続ける。
「意思?」
「自分の道を道歩むのかという意志だよ。きみは約束を破るかもしれないから、何も約束をしないつもりか。自分がどんな道を選ぶのか、自分がどんな道をつくるのか。その意志を表明しないつもりなのか。
この人は、ひとつも約束を破りませんでした。
なぜなら、ひとつも約束をしなかったからです。
そんな一生を送るつもりなのか」
「約束を守らないのは悪者。約束が守れなくなるのは事故。でも―約束をしないのは弱虫だ」
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