「Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 4/1号 [雑誌]」で気になった部分

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やっぱり世間から個として認められるかどうかっていうのは大きいと思う。人間っていうのは認められなくてもいいと言いながらも、認められると嬉しいっていうのは絶対あるわけだし。それまでは小さい範囲の中での認知だったけど、この試合でその範囲が増えた。ただ、それがすべて良い影響を及ぼしたかっていったらまた別の話だけどね。良くもあり、悪くもあり。 (中田英寿)

チームの心の強さの中心にいたのは中山だった。年齢が一番上の中山が、いつも 100% 以上を出しているのを見たら、ほかの選手たちはがんばらないわけにはいかなかった。 (中山雅史)

自分が本当に腹をくくったチャレンジというものをしていなかった。戦い方もこれぐらいで大丈夫だろう、とか自分の中に甘さがあった。引き分けなら仕方がないと思ったけど、まさか負けるなんて思ってもみなかった。負けたときは冗談じゃねえよ、と思ったよ。でも、そこから苦しんで苦しんだからこそ、初めて見えてくるものがあった。 (岡田武史)

仕事、つまり労働は炭鉱の中でするもので、サッカーは仕事ではなくプレーだ。それもエレガントな美しいプレーで、選手は個々に、あるいはコレクティブに自分を表現する。単なる戦いでもなく、もっと美しいものだ。 (オシム)

私があえて厳しいことを話すのは、2度のナビスコカップ決勝で、スタジアムが一杯になったからだ。あのとき、黄色をまとった若者たちでスタンドは埋め尽くされた。彼らのことを私は思っている。彼らは今、どこ何をしているのか…。しかしそれでも、試合を見るたびにあのときの成功を思い出しているはずだ。選手たちも同じだ。今でも彼らは、自分たちが成し遂げたことに満足しているだろう。真剣に仕事をすれば報われること。正しい方向に向かって仕事をすれば、報われることを自ら証明したのだから。私は彼らがそこから多くを学び、自分のものとして今日も役立てていることを願っている。他のクラブに移ってからも、また現役を引退して指導者になったときにも、それはきっと役に立つはずだ。 (オシム)