『Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 8/20号 [雑誌]』で気になった部分

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プロとアマについて

そのためにまず、しなければならないことは、プロアマの垣根をなくすことだと思います。どこに、子供たちがプロに教わってはいけない世界があるんですか。プロアマの問題は、大人たちの間で線を引けばいいのであって、子供に罪はない。高いレベルの技術を学ぶ機会を奪っていいはずがないんです。プロにも不勉強な人はいます。アマにも熱心に勉強している方はいます。だから、プロとアマの垣根を取り払った後には、勉強している人と、そうでない人の間に垣根を作るべきなのかもしれません。今の子どもたちはかしこいですよ。大人の本質を見抜く目を持っています。(桑田 真澄)

オシムの言葉

知的で、戦闘能力も高かった。アメリカは、自分たちよりも強いチームに対して、どうプレーすればよいかを示した。高いディシプリンとモチベーションを保ち、目いっぱい走る。アメリカにできて、どうして同じ事が日本にできないと言えるのか。

日本はたいがいの場合、相手の方が優れていて、自分たちが劣っていると考える。だから気持ちの面であっという間に負けてしまう。自分たちにはチャンスがないと思いこんだら、事態は悪くなる一方だ。『彼らはどうプレーするのかはわかった。だが僕らは自分たちのプレーをする』というスタンスこそが重要なのに。日本は相手のやり方に会わせて自分たちのベースを作る。

ブレスをかけよく走り、ゴール前のゾーンで戦いに勝てる選手こそが必要だ。パスを出すだけでなく、そこでシュートを打てる選手だ。相手にとって危険な存在にならないとダメだ。だが、日本は、中盤でプレーする全ての選手が危険だとは言えない。彼らは自分がブラジル人で、何でもできると思っている。しかもハーレムの中にいるから、安穏として何もしようとしない。君は笑うが、本当のことだ。

選手はチャンピオンズリーグをテレビで見ている。そこで、どうしてこのプレーが重要なのか、どうして彼らの方が、自分たちよりも優れているのかを認めさせる。その上で、差を埋めるために何をすべきかを、はっきりと認識させる。これからは他の人々と同じ生活はできない。他の若者たちのように、人生を楽しむこともできない。サッカーのために、それらを犠牲にする。それこそがプロフェッショナリズムだということを、彼らに理解させるのはさほど難しいことではない。