『Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2008年 11/13号 [雑誌]』で気になった部分

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オシムのが巻頭の記事になっていた。全体的にこの号は海外の監督・選手から見た日本サッカーといった文化的な観点から日本を考えさせる記事が多かった気がする。ちなみに祖母井秀隆はジェフ市原のGMをやっていた人物で、オシムを招聘した人物です。

  • 「ボール扱いがうまいだけでは何の役にも立たない。重要なのはサッカーをプレーすること、正しいタイミングでパスを出すことであって、アクロバティックなリフティングをすることではない。たとえばヨーロッパでは、ほとんどの選手が50メートルのロングパスを早くて正確に出すことができる。また、彼らは、プレッシャーの中でボールをコントロールすることができる。日本人も、そうした技術を練習を通して高めていくべきだ」(オシム)
  • 「試合でのいい結果は、選手が最高の働きをして得るものだ。それがたった一つのミスで台無しになってしまう。ミスの代償は大きいこと、一人の選手のミスが全てを帳消しにすること、そしてそれは誰にも起こりうること、そのミスが続けば自分たちのプレーができなくなることを、チームの全員にわかってほしかった」(オシム)
  • 「それから選手たちは、試合の結果に一喜一憂するサポーターが大勢いることを、よく理解すべきだ。彼らは日本が勝つことを誇りに感じる。サポーターは一生懸命に働いて、必死にお金を貯めて海外遠征にも同行する。家族や色々なものを犠牲にしてまで試合を見に来ている、そうした人たちを大事にしなくてはならない」(オシム)
  • 「子供が成長するように時間をかけて、ということだ。早く育ちすぎると、壁を乗り越える力を得られなくなる。ちやほやされて自分を勘違いし、過信して努力をしなくなる。選手には決してプラスにならない」(オシム)
  • 「カペッロがイングランドに規律を持ち込み連勝を始めたように、ヨーロッパでも勝つチームとは厳格に規律を守るチームだ。私が沖縄に来て感じたのは、日本人は規律正しく組織的だが、彼らが持つのは秩序の中での規律であって、サッカーに必要な戦術的規律ではない。そこにもう一つの問題、日本とヨーロッパのサッカー文化の違いがある」(トルシェ)
  • 「戦術的規律とは、状況に応じて選手が何をどうすべきかを理解していること。適切な瞬間に的確なポジションを取り、的確にプレーができることで、ヨーロッパにはそれぞれのサッカー文化に応じた戦術的規律がある」(トルシェ)
  • 「世の中はどんどんエゴイスティックになっている。でも人は一人ではいきられない。そんな社会の中で、サッカーは人間同士が繋がる場でもある。オシムさんやメシヤはそう考える。そういう人であるからこそ、僕は彼らに自分のクラブに来てもらいました」(祖母井秀隆)
  • 「’98年のフランスW杯のときに、パリで開かれた電通のパーティーにたくさんの日本企業の社長が来ていた。そこである大手スポーツメーカーの社長が「あなたが辛口なのはわかるけど、今回は初出場なんだから来られただけでいいじゃないですか」と言ったんだ。僕はこう答えた。「それなら、全国の営業会議で『先月の売り上げが良かったから来月は頑張らなくていい』と言ってください」って。彼はドキッとしてた」(セルジオ越後)
  • 「僕が一番大切にしていることは、サッカーができるところに立っていることを好きになるということ。それから、人の言うことにはしっかりと耳を傾けると言うこと。もしコーチが君に語りかけているなら、それは君がうまくなるために語ってくれているんだと言うことを意識しなければならない。もし僕の日本語がわからないなら、僕が自分の身体を使って君に見せようとしていることを、しっかりと見るんだよってね。僕は君に必要だと思う何かを伝えようとしているんだよって」(アマラオ)