ローマ人の物語 1より

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 現在読んでいる『ローマ人の物語 1』から気になった部分を抜き出してみました。

  • [memo] しかし、阿呆呼ばわりされても王の甥ならば、権力の近くにあって、すべてを冷静に観察する機会に恵まれていたに違いない。情報も豊富であったろう。その彼だからこそ、もはやローマは、効率的ではあっても王になる個人の意向に左右されないではすまない制度は、捨てても良いまでに成長したと判断できたのではないか。改革の主導者とはしばしば、新興の勢力よりも旧勢力の中から生まれるものである。
  • [memo] 戦争は、それがどう遂行され戦後の処理がどのようになされたかを追うことによって、当事者である民族の性格が実によくわかるように出来ている。歴史叙述に戦争の描写が多いのは、人類が相も変わらず戦争という悪から足を洗えないでいるからと言うよりも、戦争が、歴史叙述の、言ってみれば人間叙述の、格好な素材であるからだ。
  • [memo] 知力では、ギリシア人に劣り、体力では、ケルト(ガリア)やゲルマンの人々に劣り、技術力では、エトルリア人に劣り、経済力では、カルタゴ人に劣るのが、自分たちローマ人であると[…]ローマ人自らが認めていた。それなのに、なぜローマ人だけが、あれほどの大をなすことが出来たのか。一代分名犬を築き上げ、それを長期にわたって維持することが出来たのか。[…]あなたも考えて欲しい。「なぜ、ローマ人だけが」と。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫