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Kazuhiro MUSASHI

Opinions are my own.

ミュージカル・big

ミュージカル工房eicによるミュージカルbig (Wikipedia, Amazon)を観てきました。Amazonのレビューには、 小さいことが悩みの12歳の少年デヴィッドは、魔法のボックスにコインを入れて大きくなりたいと願いをかけてみたところ、その翌朝、20歳以上もの大人に成長してしまった!?家を追い出されてしまった彼は、やがてNYのおもちゃ会社に就職し、子どもらしい発想から数々の新商品を開発し、実績を上げていくのだが…。 ある日突然子どもから大人になるという奇想天外なアイデアが受け、後にミュージカル化もされたハートフル・コメディ。あくまでもロマンティックなテイストに徹しているところが心地よく、ペニー・マーシャル監督の繊細な演出も冴えわたっているが、なんといっても主演トム・ハンクスの大人子ども演技が抜群の良さで、彼の俳優としての大きなステップアップにもつながることになった。(的田也寸志) とあって、コメディーを地でいくような展開のミュージカルでした。後になってから制作の過程を追いかけたニュースが放映されていたのですが、その中で映画『big』の映像が流れていて、「ミュージカルと一緒だ♪」なんて感想を抱きながら観ていました。 今回の公演は仙台市民の素人を舞台に上げたということで注目を集めていたようです。役者の中には子供の人も多かったので、そうしたつながりで観に来る客も多かったようです。さらに宮城県の高校は文化祭シーズンということで高校生も数多くやってきていたような印象を受けました。 ミュージカル自体は非常に楽しめました。長丁場の3時間だったのですが、時間が経つのを忘れて見入ってました。主人公の子供が大人になってしまうという設定なのですが、大人になっても子供っぽい仕草をしているのはさすが、と思いながら観ていました。自分の知人を色々と誘ってみたのですが、観た人はみんなビリー役の役者について言及していました。ビリー役は主人公とヒロインの次に重要な役で、この人のおかげでミュージカル全体が引き締まっていたのだと思います。さすが。 ただテレビのニュースを見ていて気になったのが公演の成功についてしか触れないで、そこに至るまでの過程を省略していたところです。新しい「流れ」を生み出すためには、とてつもない努力が必要だったはず。そこを掘り下げてほしかったなぁ…というのがニュースを見ていた感想。これからも応援していきたいと思います。 ビッグ ペニー・マーシャル トム・ハンクス エリザベス・パーキンス おすすめ平均 トム・ハンクスらしいトム・ハンクストム・ハンクス満載です♪ほのぼのできますきゅうにビッグになっちゃったAmazonで詳しく見るby G-Tools

”The Hardest Lessons for Startups to Learn”で気になった部分

Paul Grahamのサイトで”The hardest Lessons for Startups to Learn”が公開されました。気になった部分について載せておきます。 Users hate bugs, but they don’t seem to mind a minimal version 1, if there’s more coming soon. (bugsがあるのは論外だけれども、最小のversion 1であれば受け入れる。論文にたとえれば、根本的な事実誤認はあり得ないけれど、発展が見込めるものであればとりあえずはOK…ということか?) Perhaps the most important reason to release early, though, is that it makes you work harder. When you’re working on something that isn’t released, problems are intriguing. In something that’s out there, problems are alarming. There is a lot more urgency once you release.

単騎、千里を走る

もう二日ぐらい前になりますが、『単騎、千里を走る。』を観てきました。高倉健主演・チャン・イーモウ監督作品です。いや、とてもよかったです。 高倉健演じる主人公が、死に瀕した息子の代わりに中国に向かうというのが大雑把なあらすじ。息子は中国仮面舞踊の研究者で、「単騎、千里を走る」という関羽を扱った芝居をまた観に行くという約束をしていた。だが、息子は末期の肝臓ガンに冒されていた。高倉健演じる父は、息子とここ10年ぐらい疎遠になっていたが、息子との仲を修復したいと考え、中国へ赴く。だが、「単騎、千里を走る」を演じられる役者は犯罪を犯し、牢屋に入っていた。何としても「単騎、千里を走る」をビデオに収め、息子に見せたいと考えた主人公は、様々な人々を動かして、ついに「単騎、千里を走る」の撮影に成功する…というのが、ストーリーの基本ラインになるのかな。 印象的だったのは、 -「単騎、千里を走る」を撮影した時点では息子が死んでおり、撮影する意味をなくしていたのだが、主人公は自分のために動いてくれた様々な人の気持ちに答えるために、周囲の人に息子の死を悟らせないようにし、「単騎、千里を走る」を演じるように頼む場面 「単騎、千里を走る」の関羽役を演じる役者の息子もまた父親との仲がうまくいっておらず、高倉健演じる主人公が自分の息子とダブらせて関わっていこうとしていき、心を開いてもらう場面 時間的に自分の息子が死んだのは、役者の息子と心のふれあいが果たされた頃だということがさりげなく観客に提示される部分 こうした主人公を高倉健が渋く演じているわけです。 この映画を観て強く興味を引きつけられたのは、チャン・イーモウ監督の映画の作り方でした。自分が専門とするコンラッドとの類似した点がとてもあるように感じました。例えば、 コンラッドはポーランド人でありながら、後年イギリスに帰化し、作家としての名声を獲得する。この映画でも、主人公は全く何が話されているのかわからない中国に飛び込み、人々を動かして目的を果たす。 コンラッドの作品は一人称の語り手が、自分の主観を前面に押し出して物語を語る。この映画も、高倉健演じる主人公の主観を通した物語が語られていると考えていいと思う。 コンラッドの有名作である『闇の奥』・『ロード・ジム』は枠物語【注1】である。チャン・イーモウも『HERO』で枠物語を映画に移植していると捉えることができる。 というところが、自分の専門と重なって面白いと感じました。 単騎、千里を走る。 [DVD] posted with amazlet at 14.11.23 東宝 (2006-09-22) 売り上げランキング: 1,197 Amazon.co.jpで詳細を見る

『踊る大捜査線に学ぶ組織論入門』

この本を読んで面白いと感じた部分は、できるマネージャーと凄いリーダーの違いでした。 できるマネージャー すごいリーダー ・理性、データ、分析(左脳) ・感性、感情、直感(右脳) ・クールでテクノクラート風 ・熱くビジョンを語る ・冷静さ、客観性を重視し、計数管理がうまくできる ・強烈な価値観を持っていて、それを押し通す、カリスマ ・システムを使う ・人間くささ、人間的魅力で人を引っ張る ・論理学やルールを重んじる ・人間学や人間的愛情を重んじる ・ルールを遵守する ・自分のフィロソフィーを守る ・誰がやってもうまくできる仕組みを作って、他の人(後継者)が効率よく仕事をやっていけるようにする ・この人について行きたいと思わせる、持って生まれた人間性が鍵なので、余人を持って代え難い ・バランス感覚に優れている ・大きな絵やビジョンを考え、それを追い求める ・しかし、どこか特別に際立っているところが必ずしもあるわけではない ・バランスがあると言うよりは、時に偏っているぐらい特徴のある思想を持つ。しかし、多少とも抜けがあり、はらはらさせる ・でも、抜けがなく安定力がある。平均以上にすべてが良くできる ・でも、その絵やビジョンが外れではなく、人に熱くアピールするときには、周りもついつい応援してしまう ・危機的状況を予防したり回避したりする ・危機的状況で迫力を出す ・必然的世界に生きる ・偶発的世界に生きる ・何かを守る ・何かを壊す、変化させる ・すでにある枠組みを大いに利用する ・枠組みを作り出すか、壊す ・調和、配慮 ・攻撃的で妥協しない ・人の割り振りを行う 自分でぐいぐい前進する

『容疑者 室井慎次』

読んでいる人の価値観を相対化するのが小説の条件と保坂和志は考えている、と下のエントリーで書いた。そのように書いているうちに、最近観た『容疑者 室井慎次』でも見ている人の価値観を相対化するような描写が行われていたことに気づいた。 『踊る~』シリーズでは、わくさんと青島刑事といった世代間の交流や、男性と女性といった異なる立場にある人々がどのように感じているのかということを扱った作品であるとも捉えることができる。今回の『室井慎次』でも、田中麗奈演じる新米弁護士と室井さんという世代も性別も異なる二人の価値観というものが同時に提示されていた。「室井さんの過去」(注意:まだ映画を観ていない人は見ない方がいいです!)の捉え方も、二人の間では異なっていた。同じ事態を目の前にしていても捉え方は異なる、という当たり前のことが当たり前のように提示されているというのは注目すべきことなのではないだろうか。エンターテイメント作品だ何だと言われているけれど、「様々な価値観がこの世の中にはあり、世界は複雑なのだ」ということを多くの人に提示しているということだけを見ても、『踊る~』シリーズはもっと評価されてしかるべきではないだろうか。